記述問題で点が取れない原因と改善策
記述問題で点数が取れない子は「何を書けばいいか」が分かっていない
国語の記述問題になると、急に手が止まってしまう子がいます。
選択問題ならある程度解けるのに、記述になると空欄のままになってしまう。
何とか書いても、本文の内容とずれてしまう。
字数は埋めているのに、なかなか点数につながらない。
このような悩みは、中学受験の国語でも非常によく見られます。
しかし、記述問題が苦手な子の多くは、決して「考える力がない」わけではありません。
実は、何から書き始めればいいのか、どのような順番で考えればいいのかを知らないだけ、というケースがとても多いのです。
記述問題は、感覚で書くものではありません。
正しい手順を身につければ、少しずつ安定して点数が取れるようになります。
今回は、記述問題を解くときに意識したい4つの手順についてお話しします。
① まず文末表現を確認する
記述問題で最初に見るべきところは、本文ではなく「設問」です。
特に大切なのが、どのような答え方を求められているかという点です。
たとえば、設問に「なぜですか」と書かれていれば、答えの文末は基本的に「〜から。」になります。
「どんなことですか」と聞かれていれば、「〜こと。」で終わる形になります。
「どのような気持ちですか」と聞かれていれば、「〜気持ち。」という形でまとめる必要があります。
この文末表現がずれていると、内容がある程度合っていても、答えとして不自然になってしまいます。
記述が苦手な子は、いきなり本文から答えを探そうとすることが多いです。
しかし、最初に確認すべきなのは「何を聞かれているのか」です。
理由を聞かれているのか。
気持ちを聞かれているのか。
内容を説明する問題なのか。
人物の様子を答える問題なのか。
ここを正しく押さえるだけでも、答案の方向性はかなり安定します。
② 字数などの条件を確認する
次に確認するのが、字数や条件です。
「50字以内で答えなさい」と書かれている場合、50字ぴったりで書く必要はありません。
ただし、あまりに短すぎる答案では、必要な要素が入らないことが多くなります。
目安としては、指定字数の8割以上を書くことです。
50字以内なら、40字以上を目指します。
80字以内なら、64字以上を目安にします。
もちろん、無理に字数を増やせばよいというわけではありません。
同じことを繰り返したり、本文と関係のない言葉を足したりしても、得点にはつながりません。
大切なのは、必要な要素を入れた結果として、指定字数の8割以上になるように書くことです。
また、設問によっては「本文中の言葉を使って」「二つのことを説明して」「具体的に」などの条件がついていることもあります。
この条件を読み落とすと、せっかく内容が合っていても減点されてしまいます。
記述問題では、本文を読む力だけでなく、設問の条件を正確に読む力も必要です。
③ 根拠に線を引く
記述問題で最も重要なのが、本文中の根拠を見つけることです。
国語の記述問題は、自分の感想を書く問題ではありません。
本文の内容をもとにして、問いに合うようにまとめる問題です。
つまり、答えは必ず本文の中にあります。
記述が苦手な子は、頭の中だけで何となく考えて書こうとします。
その結果、本文に書かれていないことを想像で書いてしまったり、答えの根拠があいまいになったりします。
これを防ぐためには、答えのもとになる部分に線を引くことが大切です。
「この部分を使って答える」
「この表現が理由になっている」
「この一文が登場人物の気持ちを表している」
このように、本文中の根拠を明確にしてから書くことで、答案の正確さが大きく変わります。
特に物語文では、登場人物の気持ちを直接書いていないことがあります。
その場合は、行動、表情、会話、周りの状況などから気持ちを読み取る必要があります。
説明文では、筆者の主張、理由、具体例、まとめの部分が根拠になることが多いです。
どこを根拠にするかを決めずに書く記述は、どうしても不安定になります。
反対に、根拠に線を引いてから書く習慣がつくと、答案に説得力が出てきます。
④ 必要な語句を選ぶ
根拠を見つけたら、次にやるべきことは、そこから必要な語句を選ぶことです。
本文の根拠をそのまま長く写すだけでは、よい記述にはなりません。
反対に、自分の言葉に置き換えすぎてしまうと、本文の内容から離れてしまうことがあります。
大切なのは、本文中の重要な言葉を使いながら、設問に合う形で過不足なくまとめることです。
たとえば、理由を聞かれている問題なら、理由にあたる部分を中心にまとめます。
気持ちを聞かれている問題なら、気持ちを表す言葉や、その気持ちにつながる出来事を入れます。
内容説明の問題なら、「何が」「どうなったのか」「なぜそう言えるのか」を整理して書きます。
記述で点数が取れない答案には、よくある特徴があります。
必要な言葉が抜けている。
関係のない内容が入っている。
設問に答えていない。
文末が合っていない。
本文の言葉を使わず、自分の想像で書いている。
これらを防ぐためには、根拠から必要な語句を選び、設問の形に合わせてまとめる練習が必要です。
記述問題は、いきなり上手に書けるようになるものではありません。
しかし、正しい手順で練習すれば、必ず改善していきます。
記述問題は「センス」ではなく「手順」で伸びる
記述問題が苦手な子を見ると、保護者の方は「うちの子は国語のセンスがないのでは」と心配されることがあります。
しかし、実際にはセンスの問題ではなく、解き方を知らないだけということが多いです。
記述問題は、次の4つの手順で考えます。
① 文末表現を確認する
② 字数などの条件を確認する
③ 根拠に線を引く
④ 必要な語句を選ぶ
この順番を守るだけで、答案はかなり書きやすくなります。
最初から完璧な文章を書く必要はありません。
まずは、何を聞かれているのかを確認する。
次に、どのくらいの字数で書くのかを確認する。
そして、本文のどこを使うのかを決める。
最後に、必要な言葉を選んでまとめる。
この流れを繰り返すことで、記述問題に対する苦手意識は少しずつ減っていきます。
戸塚国語塾では、記述問題を「なんとなく書く」のではなく、「手順に沿って書く」ことを大切にしています。
何を書けばいいか分からない子でも、考える順番が分かれば書けるようになります。
そして、書けるようになると、国語の点数は大きく安定していきます。
記述問題で点数を取るために必要なのは、特別な才能ではありません。
正しい読み方と、正しい書き方の手順です。
一つひとつの問題を丁寧に解きながら、得点につながる記述力を身につけていきましょう。

