国語は文章中に答えがある。それでも点数が取れないのはなぜ?
国語の問題には、基本的に答え、あるいは答えにつながる根拠が文章の中にあります。
算数のように公式を覚えて計算するわけでもなく、理科や社会のように多くの知識を暗記しなければ解けないわけでもありません。
それなのに、
文章は最後まで読めている。
内容もなんとなく分かっている。
それでもテストになると点数が取れない。
そんな子は決して少なくありません。
では、なぜ文章の中に答えがあるのに、正解できないのでしょうか。
大きな理由の一つは、文章を読むことと、問題を解くために文章を読むことは違うからです。
ただ読んでいるだけでは答えは見つからない
物語や小説を楽しむだけなら、最初から最後まで内容を理解しながら読めれば十分です。
しかし、国語のテストでは、その後に問題が出されます。
主人公はなぜこのような行動をしたのか。
このときの主人公の気持ちを答えなさい。
傍線部とはどういうことか。
筆者が最も伝えたいことは何か。
こうした問いに答えるためには、単に文章の内容を追うだけでは足りません。
どこに答えの根拠が書かれているのかを探しながら読む力が必要になります。
国語が苦手な子の答案を見ると、文章そのものがまったく理解できていないというより、答えを作るためにどこを見ればよいのか分かっていないケースが非常に多くあります。
つまり、読解力以前に、問題の解き方を知らないのです。
自分の気持ちを答えてはいけない
分かりやすい例が、
主人公の気持ちを答えなさい
という問題です。
この問題を出すと、多くの子が無意識のうちに、
自分だったらどう思うだろう?
と考えます。
例えば、主人公が友達からプレゼントをもらう場面なら、
うれしかった。
友達とけんかをする場面なら、
悲しかった。
このように、自分の感覚や一般的なイメージから答えを作ってしまいます。
もちろん、それで偶然正解することもあります。
しかし、国語で聞かれているのは、あなたならどう感じますかという質問ではありません。
聞かれているのは、あくまで、
この文章に登場する主人公が、この場面でどのような気持ちだったのか
ということです。
その答えは、自分の頭の中ではなく、文章の中から探さなければなりません。
心情は行動・表情・会話から読み取る
では、主人公の気持ちはどこに書いてあるのでしょうか。
必ずしも、
太郎は悲しかった。
花子はうれしかった。
と直接書いてあるわけではありません。
中学受験の文章になるほど、心情は直接的には書かれなくなります。
例えば、
太郎は返事をせず、黙って下を向いた。
と書いてあったとします。
ここには悲しい、悔しい、申し訳ないといった心情を表す言葉はありません。
しかし、
返事をしない
黙る
下を向く
という行動から、主人公の心情を読み取ることができます。
また、
思わず笑顔になった。
何度も時計を確認した。
強く唇をかんだ。
小さな声でありがとうと言った。
こうした行動・表情・会話・しぐさには、その人物の気持ちが表れています。
国語ができる子は、こうした部分を根拠として答えを作っています。
なんとなく、この気持ちだと思う。
ではありません。
文章のこの部分にこう書いてある。だから、この気持ちだと判断できる。
この考え方が重要です。
問題文には答えを探すヒントがある
もう一つ大切なのが、問題を正確に読むことです。
国語が苦手な子ほど本文ばかりを一生懸命読み、問題文を雑に読む傾向があります。
しかし、実は問題文の中には、
どこを探せばよいのか
何を答えればよいのか
というヒントがたくさん入っています。
なぜですか。
どのような気持ちですか。
どういうことですか。
理由を答えなさい。
二つ挙げなさい。
本文中の言葉を使いなさい。
何字以内で答えなさい。
こうした条件を正確に読み取るだけでも、答えの探し方は大きく変わります。
例えば、なぜと聞かれているのに気持ちを答えても正解にはなりません。
気持ちを聞かれているのに出来事だけを書いても正解にはなりません。
国語では、何を聞かれているのかを正確につかむことが、正解への第一歩です。
国語は感覚で解く教科ではない
国語が苦手な子の中には、
国語はセンスだから仕方がない。
読書をたくさんしている子にはかなわない。
と思っている子もいます。
しかし、少なくとも中学受験の国語に関しては、国語は決して感覚だけで解く教科ではありません。
問題には、
どこを見るのか
何を探すのか
どのように根拠を見つけるのか
どうやって選択肢を消すのか
どう記述答案を作るのか
それぞれに解き方があります。
もちろん語彙力や読書経験も大切です。
しかし、文章をたくさん読ませるだけで、自然にテストの点数が上がるとは限りません。
必要なのは、文章の中から答えの根拠を見つける方法を身につけることです。
戸塚国語塾が大切にしていること
戸塚国語塾では、単に答え合わせをして、
正解はアです。
この気持ちは悲しいです。
と教えるだけの授業はしません。
大切にしているのは、
なぜその答えになるのか
という過程です。
問題文のどの言葉に注目するのか。
本文のどこを探すのか。
どの表現が根拠になるのか。
なぜ他の選択肢ではいけないのか。
記述問題なら、見つけた根拠をどのようにつなげて答案にするのか。
こうした解き方を一つひとつ身につけていきます。
国語は文章中に答えがあります。
しかし、その答えは、ただ文章を眺めているだけでは見つかりません。
答えを見つけるための読み方を知ること。
これが、国語の点数を安定させるための大きな第一歩です。
自分の感覚で答える国語から、文章を根拠に答える国語へ。
この変化ができるようになると、子どもたちの問題の解き方は大きく変わっていきます。

