戸塚国語塾が大切にしている、選択肢問題の解き方
選択肢の問題は「記述問題」だと思って解く
選択肢問題は簡単そうに見える
国語のテストでよく出るのが、選択肢の問題です。
「次の中から正しいものを選びなさい」
「本文の内容に合うものを一つ選びなさい」
「このときの主人公の気持ちとしてふさわしいものを選びなさい」
このような問題は、一見すると簡単そうに見えます。
答えがすでに用意されているからです。自分で文章を書かなくても、四つや五つの選択肢の中から一つを選べばよい。そのため、記述問題よりも楽だと感じる子も少なくありません。
しかし、実際にはそうではありません。
中学受験の国語において、選択肢問題は読解力の差がはっきり出る問題です。むしろ、記述問題よりも難しい場合もあります。
なぜなら、選択肢問題は「なんとなく」で解けるように見えて、実は本文を正確に読み、根拠をつかみ、内容を自分の中で整理できていなければ正解できない問題だからです。
「なんとなく選ぶ」と間違える
選択肢問題で多いのが、いきなり選択肢を見てしまう解き方です。
「これっぽい」
「本文に似た言葉があった」
「なんとなく長いから正解っぽい」
このような感覚で選んでしまうと、ひっかけの選択肢に引っかかりやすくなります。
国語の選択肢は、完全に間違っているものばかりではありません。むしろ、どこか一部分は合っているけれど、細かいところが本文とずれている選択肢が多く出されます。
たとえば、本文では「少し不安を感じている」と書かれているのに、選択肢では「強い恐怖を感じている」と表現されている。
本文では「相手を思いやって黙った」のに、選択肢では「相手に反発できずにあきらめた」と書かれている。
本文では「成長したことに気づいた」のに、選択肢では「成功して自信を持った」と書かれている。
どれも一見すると似ています。けれど、本文と照らし合わせると意味が少し違います。
この「少しの違い」に気づけるかどうかが、国語の点数を大きく左右します。
選択肢を見る前に、まず本文に戻る
選択肢問題で大切なのは、すぐに選択肢を見ないことです。
まず本文に戻る。
根拠を探す。
聞かれていることを確認する。
自分なりに答えの方向性を考える。
この順番が大切です。
たとえば、
「このときの主人公の気持ちとして最もふさわしいものを選びなさい」
という問題があったとします。
このとき、いきなり選択肢を見てはいけません。
まず考えるべきことは、
「主人公はこの場面で何を感じていたのか」
「その気持ちは本文のどこから分かるのか」
「前の場面から気持ちはどう変化したのか」
ということです。
本文の根拠を確認したうえで選択肢を見ると、正解を選びやすくなります。
反対に、本文に戻らずに選択肢だけを見てしまうと、もっともらしい言葉に引っ張られてしまいます。
選択肢は「答え」ではなく「確認材料」
選択肢は、最初に頼るものではありません。
選択肢は、本文から考えた答えと照らし合わせるためのものです。
つまり、選択肢は「答えを教えてくれるもの」ではなく、「自分の読みが合っているかを確認する材料」だと考えるべきです。
国語が得意な子は、選択肢を読む前に、頭の中である程度答えを作っています。
「この場面では、主人公は悔しいだけではなく、相手を思う気持ちもある」
「筆者が言いたいのは、便利さだけを求めることへの疑問だ」
「この理由は、直前の行動ではなく、その前の会話に書かれている」
このように、本文をもとに答えの軸を作ってから選択肢を見ます。
だから、選択肢に惑わされにくいのです。
正解以外の選択肢も丁寧に見る
選択肢問題では、正解を選ぶことだけが大切なのではありません。
なぜ他の選択肢が違うのかを確認することも大切です。
前半は合っているけれど、後半が言い過ぎている。
本文には書かれていない内容が入っている。
気持ちの方向性が違っている。
理由と結果が逆になっている。
一部分だけ本文と合っているが、全体としてはずれている。
こうした違いを見抜く力がつくと、選択肢問題の正答率は安定していきます。
「なんとなく違う」ではなく、「ここが本文と違う」と説明できることが大切です。
そのためには、選択肢を丸ごと雰囲気で読むのではなく、細かく分けて読む必要があります。
選択肢の前半と後半を分ける。
強すぎる表現がないか確認する。
本文にない内容が足されていないか見る。
人物の気持ちや理由がずれていないか確かめる。
このように、一つひとつ本文と照らし合わせていくことで、正しい選択肢を選べるようになります。
正解しただけでは安心できない
選択肢問題は、たまたま正解することがあります。
なんとなく選んだものが当たることもあります。消去法で偶然正解することもあります。
しかし、それでは本当の国語力はつきません。
大切なのは、正解したかどうかだけではなく、なぜその答えになるのかを説明できることです。
正解していても、根拠を説明できなければ、次に同じような問題で間違える可能性があります。
反対に、間違えたとしても、どこで読み違えたのか、どの選択肢に引っ張られたのかが分かれば、次につながります。
国語の力は、答え合わせだけでは伸びません。
「なぜこの答えなのか」
「なぜ他の選択肢ではだめなのか」
「本文のどこを見れば判断できるのか」
ここまで確認して初めて、読解力が育っていきます。
選択肢問題は、実は記述問題に近い
選択肢問題と記述問題は、まったく別の問題に見えるかもしれません。
しかし、読解の手順はほとんど同じです。
記述問題では、本文を読み、根拠を探し、聞かれていることに合わせて自分の言葉で答えます。
選択肢問題でも、本来は同じです。
本文を読み、根拠を探し、聞かれていることに合わせて答えの方向性を考えます。そのうえで、用意された選択肢の中から最も近いものを選びます。
違いは、自分で最後まで書くか、すでに用意された文章から選ぶかだけです。
つまり、選択肢問題は「答えが用意されている記述問題」と考えることができます。
この意識を持つだけで、解き方は大きく変わります。
戸塚国語塾では、選択肢問題を記述問題に作り変える
戸塚国語塾では、選択肢問題をそのまま解くだけでは終わらせません。
授業では、選択肢の問題をいったん記述問題に作り変えて考えることがあります。
たとえば、
「このときの主人公の気持ちとして最もふさわしいものを選びなさい」
という問題であれば、
「このときの主人公は、どのような気持ちですか」
「なぜそう考えられますか」
「本文のどこからそう言えますか」
という形に変えて考えます。
選択肢を見る前に、まず自分で答えを作る。
この練習をすることで、子どもたちは本文に戻るようになります。根拠を探すようになります。なんとなくではなく、「ここにこう書いてあるから」と説明できるようになります。
最初は少し難しく感じる子もいます。
しかし、この練習を続けることで、選択肢に頼る読み方から、本文をもとに自分で考える読み方へ変わっていきます。
「なんとなく選ぶ」から「根拠をもって選ぶ」へ
国語の選択肢問題で大切なのは、答えを当てることではありません。
本文を根拠にして、なぜその答えになるのかを説明できることです。
戸塚国語塾では、選択肢の問題を記述問題に作り変えることで、子どもたちが自分の言葉で考える力を育てています。
「なんとなく選ぶ」から、「根拠をもって選ぶ」へ。
「答えを当てる」から、「答えを説明できる」へ。
「選択肢に頼る」から、「本文をもとに考える」へ。
この変化こそが、国語力の成長です。
選択肢の問題は、記述問題だと思って解く。
その意識を持つことで、子どもたちの読み方は大きく変わります。
戸塚国語塾では、これからも一問一問を丁寧に扱い、子どもたちが本当に読めるようになるための指導を行っていきます。

