国語が苦手な子は文章を読めていない?中学受験で注意したい「読み飛ばし」

まず直すべきは読解力より読み方

「文章は最後まで読んでいるのに、内容を理解できていない」

「本文に書いてあることを聞かれているだけなのに、なぜか答えられない」

「解説をすると分かるのに、自分で読むと全く違う意味にとってしまう」

中学受験の国語を指導していると、このような生徒は少なくありません。

こうした生徒に共通していることの一つが、文章の読み飛ばしです。

国語の成績が伸びないと、どうしても記述の書き方や選択肢の解き方といった「問題の解き方」に目が向きがちです。

しかし、その前に確認しなければならないことがあります。

それは、

そもそも本文を正確に読めているか

ということです。

国語が苦手な子は「文章」ではなく「単語」を読んでいる

読み飛ばしが多い生徒の文章の読み方を見ていると、一文一文を丁寧に追っているわけではありません。

自分が知っている単語や、目についた言葉だけを拾いながら読み進めています。

例えば、

「太郎は試合に負けた。しかし、決して悔しいとは思わなかった」

という文章があったとします。

ここで、

「太郎」
「試合」
「負けた」
「悔しい」

という言葉だけを拾ってしまうと、

「太郎は試合に負けて悔しかった」

と理解してしまう可能性があります。

しかし、本文に書かれている内容は正反対です。

重要なのは、

「しかし」
「決して」
「〜ない」

という言葉です。

国語では、このような一見目立たない言葉が、文章の意味を大きく左右します。

ところが読み飛ばしの癖がある生徒は、こうした言葉を無意識のうちに飛ばしてしまいます。

すると、文章そのものを間違って理解してしまうのです。

接続詞・指示語・否定表現を飛ばすと文章の意味が変わる

中学受験の国語では、文章の流れをつかむことが非常に重要です。

特に注意したいのが、

・しかし、ところが、だが、などの接続詞
・これ、それ、このこと、などの指示語
・〜ではない、〜とは限らない、などの否定表現

です。

これらを一つ読み飛ばしただけでも、筆者の主張や登場人物の気持ちを反対に理解してしまうことがあります。

その状態で問題を解こうとしても、当然正解にはたどり着きません。

選択肢問題で迷ったり、記述問題で本文とズレた答えを書いたりする原因も、実は問題の解き方ではなく、本文を読む段階ですでに間違えていることがあります。

だから私は、国語が苦手な生徒ほど、

「どうやって問題を解くか」

より先に、

「文章を正確に読むこと」

を身につける必要があると考えています。

「速く読まなければいけない」は逆効果

中学受験では時間制限があるため、

「もっと速く読まないと間に合わない」

と考える保護者の方も多いでしょう。

もちろん、最終的には一定の読書スピードが必要です。

しかし、読み飛ばしが多い子に、最初から速く読むことを求めるのは逆効果です。

速く読もうとすればするほど、助詞や接続詞、否定表現などを飛ばすようになります。

その結果、

本文を速く読む
↓
内容を理解できない
↓
問題文をもう一度読む
↓
本文に戻る
↓
選択肢で迷う

という状態になります。

これでは、結果的に時間がかかります。

国語で本当に必要なのは、速読ではなく正読です。

まず正確に読めるようになる。

読むスピードは、そのあとで十分です。

読み飛ばしを直すなら「ゆっくり音読」

では、読み飛ばしをなくすためには何をすればよいのでしょうか。

最も取り組みやすく、効果的なのが音読です。

ただし、ただ声に出せばよいわけではありません。

大切なのは、

焦らず、ゆっくり、意味を考えながら読むこと。

声に出して読むと、黙読よりも一文字一文字、一文一文を意識するようになります。

「しかし」を読まずに飛ばしたり、「〜ではない」の「ない」を読み落としたりすると、自分でも違和感に気づきやすくなります。

また、句読点で適切に区切りながら音読すると、文章の構造も見えやすくなります。

最初は読むスピードが遅くても構いません。

むしろ、読み飛ばしがあるうちは遅いくらいでちょうどいい。

一文読んだら、

「今、何が書いてあったのか」

を頭の中で確認しながら進めてみてください。

正確に読めるようになると、自然に速くなる

音読を始めると、

「こんなにゆっくり読んでいて、中学受験に間に合うのだろうか」

と心配になるかもしれません。

しかし、正確に読む習慣が身につけば、読むスピードは自然に上がっていきます。

文章を正しく読めるようになると、何度も本文に戻る必要がなくなります。

文章の流れも頭に残るため、問題を解くスピードも上がります。

結果として、

正確に読むことが、最終的には速く解くことにつながります。

国語が苦手だからといって、いきなり難しい読解テクニックを教える必要はありません。

まず確認してほしいのは、

「文章を一文ずつ正確に読めているか」

という非常に基本的な部分です。

中学受験の国語は「正確に読むこと」から始まる

中学受験の国語では、記述、選択肢、抜き出し、要約など、さまざまな問題が出題されます。

しかし、どの問題にも共通する土台があります。

それが本文を正確に読む力です。

文章を正確に読めていなければ、どれだけ問題の解き方を覚えても安定して点数を取ることはできません。

逆に、文章を丁寧に読む習慣が身につけば、筆者の主張や登場人物の心情、文章全体の流れも少しずつ見えるようになります。

国語が苦手な子ほど、焦って先へ進む必要はありません。

まずは、

ゆっくり読む。
飛ばさず読む。
意味を考えながら読む。

そのために、毎日の学習に少しずつ音読を取り入れてみてください。

国語力を伸ばす第一歩は、難しいテクニックではありません。

文章に書かれていることを、書かれている通りに正確に読むこと。

中学受験の国語は、すべてそこから始まります。

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